
(前回の続き)
宗教的なアプローチ以外で効果的なものは「マインドフルネス」です。
マイドフルネスとは、呼吸、思考、感情や感覚などに注意を向けることです。
マインドフルネスはただ座って瞑想するということだけにとどまりません。
賛美歌を歌う、読経やキルタン(神の名を繰り返し歌うこと)を行うことも素晴らしい方法です。
歌を歌うことや唱えるというマインドフルな行為は、結果として呼吸に注意を向けることに繋がります。
死を迎えようとしている人の前で、呼吸を行い、可能な限り穏やかな気持ちになる、という仏教の習わしがあります。
その人の苦しみや恐怖、また自身の恐怖心を避けるという意味でなく、呼吸をすることで全てを包み込むことで穏やかな気持ちになります。
コップに注いだジュースを想像してみましょう。
オレンジやリンゴの果肉はコップを穏やかな状態に保つことで沈んでいきます。
同じように、観察することで心も落ち着いていくのです。
ホ・オポノポノ(ハワイに伝わる問題解決方法)の中で、不安や憂鬱、怒りなどの不調和を調和へと導く時間があります。
元の状態へ修復され、再び呼吸を始めます。
ハー(命の息吹)を呼び起こすことで人は強さやバランスを取り戻すことができます。
生まれ変わったような気持ちになります。
誰かに真実を伝えた時、また誰かから真実を告げられた時、安堵のため息をつき、その後深く息を吸い込んだことはありませんか。
今回の自粛期間、皆が不安を感じ、さらには無力感すら感じているかと思います。
様々なストレス要因に囲まれる中、前向きに行動する方法が見えない状況です。
私たちは恐怖心と受動的に向き合うことが得意ではありません。
しかし、それを可能とする強さを育むことができます。
イエス・キリストは自らの運命を理解し、受け入れ、完全に身を委ねた後に「私の霊を御手に委ねます」と最後に発せられました。
ブレッシング(祝福の儀)やホ・オポノポノを行う時、我々はこれに倣い、また思い切って干渉する必要があります。
ホースのように、またラコタ族のホーリーマン、フールズ・クロウのように「中空の骨」になるのです。
知るべきこと、なるべき者、そしてやるべきことすべてを手放し、まるで抱えられる赤子のようになって初めて、身を委ねる静寂な状態にたどり着くことができるのです。
(おわり)